
中華料理をはじめ、洋風の煮込みやパスタ、さらには和食にも使われるニンニクは、香りや辛味、旨味など、さまざまな成分を持つ万能な野菜です。ただ、その能力を存分に引き出せていない「もったいない」使いかたがされることもしばしば…。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、ニンニクのやりがちな「もったいない」使いかたと、目的別のおすすめ調理法について解説してもらいます!
目的別に切りかたを変えなきゃ「もったいない」!

一般に「ニンニクらしい」と思われている独特の臭いや辛味は、アリシンという成分が原因です。アリシンは、ニンニクが切られたりすりおろされたりして細胞が壊される際に発生します。つまり、切れば切るほど、そしてすりおろせばすりおろすほど、アリシンを引き出せるのです。
そのため、ニンニクを料理に使うときは、目的にあわせて切りかたを変えましょう。香りや辛味が必要なときはみじん切りやすりおろしに、そしてそこまで香りを目立たせたくない場合はスライスや丸ごとつぶす使いかたがおすすめ。実際、薬味として使う際はみじん切りにすることが多く、洋風の煮込みだと丸ごと入れるレシピが多いですよね。
ちなみに、ニンニクは軸の部分がより香りが強いため、ニンニクを使った料理を食べると臭いが気になるという場合は、軸を取り除いておきましょう。また軸の部分は加熱時に焦げやすいという性質もあるため、見た目に気をつかう料理にニンニクのスライスを使う場合も、軸を取り除いておくと部分的に焦げてしまうのを防ぐことができます。