二男に骨肉腫がわかって1年『命さえあればいいじゃない』
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2月4日はワールドキャンサーデー(世界対がんデー)。世界中の人々の「がん」に関する意識を高め、がんに対して行動を起こすことを目的としています。日本人の2人に1人ががんになる時代(※)。誰にとってもひとごとではないがんを経験したママにお話を聞きました。
(※)人口動態統計:厚生労働省(2021)
<プロフィール>
篠原春香さん 43歳 2人の子の母
栃木県在住。家族構成は夫(44歳)、長男(小6)、二男(小4)、愛犬(3歳)。看護学校卒業後、病棟看護師などを経て現在は通所型介護施設の看護師としてパートで働く。好きな時間は友達とランチやお茶をしながらおしゃべりすること。二男の怜くんのがんがわかってから控えていた友達付き合いを最近少しずつ解禁。骨肉腫の告知と同時に母子入院と治療の生活が待ったなしに始まった
「病院で検査を受け、二男の怜が骨肉腫かもしれないと知った日の夜は頭が真っ白になるまで泣き、ネット検索して不安でいっぱいになってまた大泣きして、その繰り返しで朝を迎えました」。翌日東京の大学病院に緊急入院し、9カ月に及ぶ過酷ながん治療が始まりました。同時に家族の生活も一変。「私は休職して90日間の付き添い入院をしました。命を守るために治療が最優先。でも家はどうしよう。長男の世話は?思春期の難しい時期に長く離れて大丈夫だろうか。長男の日常を守ること、仕事やお金のことも夫婦で話し合い、実家の母にも頼って生活を回し、闘病に伴走して……もう無我夢中でした」。退院後も多くの課題が残っています。「骨肉腫は肺に転移するリスクがあり、治療が終わっても不安はあります。だけど今、家族がこうして一緒に過ごせていることが心からありがたい。そう思って日々を生きています」。