
秋から冬にかけて出荷量のピークをむかえるりんごは、スーパーでもつねに複数の品種を置いているところが多く、もっとも身近なフルーツのひとつです。売り場に並んでいるのを見ると、表面にまるでワックスでも塗ったかのようなツヤツヤしたりんごがあることに気づきます。
「見栄えをよくするためワックスをかけたのかな?」「それとも、もしかして農薬…?」と思うかもしれませんが、じつはどちらでもなく、りんごにとっては重要なモノ。ツヤツヤのりんごをぜひ選んでほしい理由を、野菜ソムリエの植松愛実が解説します。
農薬でも人工的なワックスでもなかった!

店頭に並ぶりんごのなかには、ときどきワックスを塗ったようなツヤツヤした見た目のものがあります。しかも、こういったツヤツヤのりんごは、手に取るとベタベタすることも多く、ちょっと嫌われがちです。
でもこのツヤツヤ、じつは農薬でも人工ワックスでもありません。りんごの表面はもともと天然のロウ成分で覆われているのですが、りんごが熟してくるとリノール酸やオレイン酸と呼ばれる天然の脂肪酸がにじみ出てきて、ロウ成分と脂肪酸が反応することで油のような成分に変わります。
「油あがり」と呼ばれる現象で、“天然のワックス”とでもいえるでしょうか。りんごが完熟している証拠でもありますし、この成分がりんごの表面を覆うことで、水分を保ったりりんごを病原菌から守ったりしてくれるので、ツヤツヤのりんごはぜひ積極的に選びたいおいしいりんごなのです。