なぜ「ひょう」は冬に降らない?初夏にかけて要注意な現象を気象予報士が解説
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空から氷の粒が降ってくる現象である「ひょう」。
「氷が降るんだから冬の現象でしょ?」と思われるかもしれませんが、じつは「ひょう」は冬にはほとんど降らず、春から初夏にかけて多い現象です。
どうして「ひょう」は春や初夏に降るのか、そして「ひょう」が降るときに気をつけるべきことは…?
気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、これからの時期の注意ポイントを教えてもらいます。雲の粒がぶつかりあって誕生する「ひょう」
空に浮かぶ雲の内部には、小さな小さな水や氷の粒が大量に含まれています。
氷の粒が雲のなかで互いにぶつかりあうと、ぶつかった瞬間に合体して大きな氷の粒になることがあります。
これが落ちてきたものが、「ひょう」です。
厳密には、直径5mm未満の氷の粒が落ちてきたら「あられ」、5mm以上の氷の粒なら「ひょう」と呼びます。
ただ…、氷の粒がぶつかりあって大きくなる、と簡単に書きましたが、雲があれば必ずそうなるというわけではありません。
雲の内部に激しい上昇気流がないと、氷の粒が十分に大きく成長できないのです。
そして、この激しい上昇気流が必要という点が、「ひょう」が冬に降らない理由と深く関係しています。