やりたいことと高校卒業の両立!『積極的進学』の選択肢として通信制高校への進学者が増加中
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多様化する進路の1つとして、通信制高校を選ぶ子どもが増えています。親世代の頃からどんどん変化する学校教育、ついていけていますか?今どきの教育・進学事情や新しい教育用語を、専門家にインタビュー取材します。
<教えてくれた人>
・通信制高校に詳しい 高尾知憲さん
24年度4月に開校する通信制高校サポート校・アップ高等学院のプロジェクトマネージャー。アップ教育企画の中学受験指導部門にて算数を指導。進研ゼミ小学講座「考える力・プラス」などにも出演。
・ジャーナリスト 宮本さおりさん
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と中学生の母。Q 通信制高校を選ぶ子どもが増えてるって本当?
A ここ数年で通信制高校への進学者数は急増。約13人に1人が通信制高校に進学しています
文部科学省の「学校基本調査」によると、通信制高校に通う生徒の人数は26万4797人(2023年度)で、過去最多となりました。今年が爆発的に多かったというわけではなく、ここ数年増加傾向が続いています。
今まで、通信制高校というと、スポーツや芸能活動など特別な事情がある生徒が選ぶ学校というイメージがありました。しかし、最近ではN高等学校(通称・N高)のユニークな授業や進学実績が話題になるなど多様化する進路の1つとして通信制を選択する“積極的進学”も見られるようになりました。
スポーツで高みを目指す子、起業など学業以外の活動をしたい子など、やりたいことと高校卒業の両立を目指すための進学先として機能する一方で、なんらかの理由で中学時代や高校時代に不登校になってしまった子の受け皿としての役割も果たしています。
また、コロナ禍の影響で、通学せずに学ぶことが可能だと、多くの人が気づきました。このように毎日朝から学校に通うことが苦痛だと感じる子が、通信制高校を選びやすい環境に変わったことも、通信制高校の進学者が増加した一因と考えられています。