「津波」とふつうの波はどう違う?知っておきたい防災ポイントを気象予報士が解説
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津波はおそろしい、というのはほとんどの日本人にとっての共通認識かと思いますが、そういえばふつうの波と津波は、いったい何が違うのでしょうか。
2024年は元日の能登半島地震によって津波被害が発生し、また3月11日には東日本大震災から13年を迎えます。
今回は気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、今知っておきたい津波の重要知識を解説してもらいます。海水「全体」が動くかどうか
通常の波というのは風に吹かれて発生するため、海面と空気との境界に近いところにある海水だけが動きます。
一方で津波は海底にある地面が揺れたり変形したりして発生するので、下から海水が動かされる、つまり海水全体が動くことになります。
これが、ふつうの波と津波の決定的な違いです。
動く海水の質量がケタ違いになるので、当然ながら物を押し流すエネルギー量もケタ違いになります。津波は「水」だけじゃない
ふつうの波が海岸に押し寄せてくるとき、その中身は「水」です。
そんなの当たり前だろう、と思われるかもしれませんが、津波の場合、やって来るのが「水」だけじゃないのです。
前述のとおり津波にはかなりのエネルギーがあるため、通過する場所の土を削り取りながら進んでいきます。
海底の土も上陸したあとの陸地の土も削って取り込んでいくため、2011年3月の東日本大震災の際には「黒い津波を見た」という人もいたほどです。
さらには破壊された家屋や車、そしてがれきなども取り込んで、ただの「水」とはほど遠い状態で襲ってくるのです。