不正出血はがんの可能性も…?自覚症状がなくても進行する「子宮がん」になりやすい人の特徴とは
-
女性なら誰もが気になる「子宮がん」のこと。「子宮がん」には2種類があり、その原因や症状は異なるとご存じですか。
女性特有の病気である「子宮がん」について、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医で、沢岻美奈子女性医療クリニック院長の沢岻美奈子氏に聞きました。Q.子宮がんとはどのようながんですか。がんの種類についても教えてください
子宮がんには「子宮頸がん(しきゅうけいがん)」と「子宮体がん(しきゅうたいがん)」があります。
子宮の入り口である頸部(けいぶ)にできるがんを「子宮頸がん」、妊娠して赤ちゃんが育つ体部にできるがんを「子宮体がん」と区別しています。Q.子宮頚がんの原因や、なりやすい人の特徴にはどのようなものがありますか
子宮頸がんの9割は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が原因と分かっています。20代〜30代の妊娠を希望する若い年代に多い病気であり、20歳以上の全ての女性に2年ごとの検診補助を国が行なっています。
ヒトパピローマウイルス自体はありふれたウイルスで、性交渉を持ち始める20代女性の感染率は7〜8割とされています。ヒトパピローマウイルスに感染しても、多くは自然に排除されます。しかし、感染が持続した場合に、子宮頸がんに進行することがあります。
私が医師になった約30年前は、子宮頸がんは性交人数が多い人が罹るという間違ったイメージがありましたが、性交渉の経験があれば、性交人数にかかわらず誰でも罹り得る病気です。
月経の痛み治療などで低用量ピルを飲んでいる方は、子宮頸がんに罹りやすくなります。子宮頸管(しきゅうけいかん)の分泌物の変化が起こって、ウイルス感染への抵抗が減ることなどが原因です。低用量ピルを服用している方へは、2年ごとではなく毎年の検診をすすめています。