ストレスで起こる体や心の異変~生活習慣病への影響も解説~
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当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師 石倉美希が担当しました。
「なんだかいつもより体の調子が悪いな」「いつもは楽しいと思うのになんだか楽しくないな」と感じることはありませんか?
もしかしたらそれはストレスが影響しているかもしれません。ストレスは体や心の健康に大きな影響を与えていると言われています。
また、糖尿病のコントロールとストレスには深い関係があり、ストレスについて知ることはより上手に糖尿病とのつき合っていくことにもつながります。
本記事では、ストレスが体や心にどんな影響があるのか、早めに気づくにはどうしたらよいかをお伝えしていきます。最後までぜひおつき合いください。ストレスによって体と心はどう変わる?
ストレスという言葉は近年では身近な言葉となっていますが、あらためてどんなものかを簡単にまとめました。
●ストレスとは
ストレスとは、外から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことを指します。
外からの刺激(ストレスの原因)をストレッサー、それに対する体や心の反応をストレス反応と言います。
●ストレスの原因は日常生活のなかにある
ストレッサーは大きく4種類に分けられます。みなさんのまわりにはどんなストレッサーが潜んでいるか、確認してみましょう。
<物理的ストレッサー>
・暑さ、寒さなどの気温変化
・騒音や混雑(ショッピングセンター・満員電車など)
・光、パソコンやスマートフォンなどのブルーライト
<科学的ストレッサー>
・公害物質や薬品など
・室内の酸素濃度の低下
・タバコなどの臭い
<生物的ストレッサー>
・細菌
・ウイルス
・カビ
・花粉
<心理社会的ストレッサー>
・人間関係の問題
・仕事の責任
・家庭の問題
私たちがストレスというとき、その多くは心理社会的ストレッサーを指していますが、日常生活のなかにはストレッサーがたくさんあり、どれも日常生活のなかで避けてとおることはむずかしいものばかりです。
「自分はストレスがとくにない」と感じている人も、小さなストレッサーがたくさん溜まっているかもしれません。
●糖尿病にまつわるストレス
また、糖尿病とつき合いながら生活していくうえでは、糖尿病特有のストレスがあると言われています。
<糖尿病にまつわるストレス>
食事内容の管理、定期的な通院、服薬の管理、血糖値の測定、体重のコントロール、低血糖への不安
このように、糖尿病の悪化を防ぐためにセルフケアをし続けていくことへのストレスを日々積み重ねているため、より丁寧にストレスに対してケアをしていくことが重要です。
では、ストレスが溜まっていくと、体や心にどんな変化があるのでしょうか。