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学校に行けない子どもは、社会にも出ていけない?…そんな親自身の不安に、どう対処するべきか

2024年1月24日

  • 5カ月前から不登校になった息子がいる相談者のさやかさん。「無理にでも登校させるべき」と言ってきかない実母への対応に悩んでいます。

    不登校の問題に詳しい蓑田雅之さんは「お母さんにわかってもらおうと頑張らず、適度に距離を置くようにしてみては」とアドバイス。今回は、不登校が増えた理由や、不登校になった子どもの進路、夫と対立したときの解決策も蓑田さんに伺いました。



    自由が尊重される世の中になって、学校教育も発展の途上。不登校はその流れで出てきたこと


    編集部:そもそも、不登校が増えている理由にはどんなことがありますか?

    蓑田:一概には言えませんが、一つにはコロナ禍の影響があると思います。休校になって、学校に行かなくてもオンラインで授業を受けられる時期がありました。それから不登校について取り上げるメディアや、情報を集める保護者が増えて、「無理に学校に行かないでいい」というメッセージが家庭にも届いています。学校の対応も前より柔軟になってきましたね。そういったさまざまな要因で不登校が増えているのでしょう。

    編集部:なるほど。原因は一つではないのですね。

    蓑田:はい。こういった情報がさらに広まれば、不登校はもっと増えるかもしれません。

    編集部:昨年度の国の調査で不登校児が約30万人と、急増していることがニュースになりました。

    蓑田:そうですね。昭和のころは学校がもっと怖かったから、子どもはいやでもそこから外れられなかったですよね。

    編集部:確かに。アラフィフの私が子どもころは、不登校の子はほとんどいませんでした。

    蓑田:そうでしょう。ところが今は社会が多様化して自由が尊重されるようになってきました。すると「学校も無理して行かなくてもいいんじゃないか」と思う人は自然と増えてきます。

    編集部:そうですね。

    蓑田:昭和の時代に不登校が少なかったのは、学校から逃れられない雰囲気があったことも大きいと思います。そう考えると、不登校が増えたのは必ずしも悪いことではなく、悲観しなくてもいいのかなとも思うんです。

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