息子の不登校を「見てるだけ」だった夫が、変わった。夫が変わると、家族も変わる?
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中2の息子が不登校になったさやかさん。実母から「無理にでも学校に行かせるべき」とたびたび言われて悩んだり、息子の進路も気がかりでした。不登校の問題に詳しい蓑田雅之さんに相談して1カ月が過ぎたころ、家庭で意外な変化があったようです。
息子を買い物に誘ったりして、夫が積極的に関わってくれるようになりました
編集部:さやかさん、お久しぶりです。お母さまとの関係や息子さんの様子など、その後いかがでしょうか。
さやか:母との関係は前より落ち着いています。というか、母が体調を崩して、前ほど息子に目が向かなくなったようです。心配はしてるけど、今は自分のことで精一杯みたいで。
蓑田:そうでしたか。お母さま、早く回復されるといいですね。
編集部:元気になられたら、趣味など関心を持てることを見つけてもらえたらいいかもしれないですね。
蓑田:そうそう。不登校のことばかり考えると追いつめられるし、親も周りの人も自分のことに関心を向けたほうがいいですよ。
編集部:ほかに変わったことはありますか?
さやか:夫が息子に積極的に関わってくれるようになりました。今まではちょっとあきらめてたというか、4年ほど単身赴任をしていて1年前に戻ってきたのですが、コロナ禍で赴任中はあまり会えなかったこともあり、息子との距離を測りかねている様子だったんです。
蓑田:何か変わるきっかけがあったんですか?
さやか:夫が息子にあまりに関わらないので「どう思ってるの?」って聞いてみたんです。それでお互いに思っていることをぶつけ合って。
編集部:どんな話をしましたか?
さやか:「息子が行っているフリースクールはどんなところなのか」「家庭以外の関わりがあるのはいいけど、中学を卒業した後はどうするのか」「このまま大人になって働いていけるか」と言ってました。いろいろ気になってるけど、どうしていいかわからなかったみたいです。
編集部:さやかさんはどう答えたんですか?
さやか:将来どうなるかはわからないけど、そう思っているのなら、子どもが考えるようにし向けたり、どこか行こうって誘ったりしてみたら、と。それで夫はコミュニケーションを取り出して、息子を買い物に誘ったりしています。
蓑田:息子さんの反応は?
さやか:誘われたら一緒に出かけています。戸惑いもあるみたいで、「急にどうした?」って私に言ってました。「別に外なんか行きたくなかったのに」とブツブツ言いに来たり。ちょっとギクシャクしてますね。
蓑田:ご主人は「学校に行け」とは言わないんですよね。
さやか:はい。無理やり行かせるのは良くないと夫もわかっているのですが、今のままでいいのかなって思ってるようです。外との関わりもなるべく持つようにしたほうがいいんじゃないかと。
蓑田:それで外に連れ出そうとしているのかな。
さやか:そうですね。朝起きないで寝てるのも気になるようで、「とりあえず生活リズムをちゃんとして」と言って、夫が起こしています。私が起こすと二度寝しちゃうけど、夫が言うと何となく怖いから起きてきて、助かってます(笑)。
蓑田:とてもいいですね。親子のコミュニケーションがとれているっていうのがすごく大切。そこが断絶すると、子どもが孤立無援になってしまいますから。親子で出かけたり、テレビを見たり、雑談したりというのが意外と大事です。
さやか:夫の態度が変わったことで、私も気が楽になりました。
蓑田:生活リズムも規則正しいほうがいいと大人は思うけど、そんなに厳しくしなくてもよくて、元気なってきたら自分で考えて行動するようになりますから。
編集部:すると、お父さんと息子が多少ギクシャクしているのは、さほど問題ではない?
蓑田:はい、そう思いますよ。