サンキュ!

小松菜の驚くべき栄養成分~加熱による変化や効能を高める食べ方も伝授します~

  • 当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。

    葉物野菜のなかでも、食べる機会が多い小松菜。ほうれん草と見た目が似ていますが、葉に丸みがあり、根元が白い方が小松菜です。

    そんな小松菜は、β‐カロテンをはじめ、ビタミンC、カルシウム、鉄が豊富です。

    そこで今回は、小松菜の栄養素について解説していきます。小松菜を使った、簡単で栄養バランスの良いメニューもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね。


    小松菜の栄養素と効能


    小松菜の栄養素としてとくに注目すべきなのはβ‐カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、そして食物繊維です。

    それではさっそく、それぞれの栄養素と働きをみていきましょう。


    ●β-カロテンの抗酸化作用がスゴイ!
    野菜の色素成分であるβ‐カロテン。小松菜100g(おおよそ2株)あたりに含まれるβ‐カロテン量は3,100μgです。

    同じ葉物野菜であるチンゲン菜のβ‐カロテン量は100gあたり2,000μg含まれることからも、小松菜に含まれるβ‐カロテンは多いとわかります。

    β‐カロテンの特徴的な働きは、活性酸素と呼ばれる、身体を酸化してダメージを与える物質を取り除く『抗酸化作用』です。なお活性酸素は微量であれば問題ありませんが、多量になると動脈硬化などを引き起こす要因にもなります。

    健康のためにも抗酸化作用を活用するとよいですね。

    さらに、β‐カロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。のどや鼻の粘膜の健康を維持して風邪や病気になりにくい体を造るためにも、β‐カロテンをしっかりと摂っていくとよいでしょう。


    ●ビタミンCで美肌に
    小松菜100gあたりのビタミンC量は39mgですので、成人男女の1日の必要量(100mg)の39%を補えます。

    なお、私たちの皮膚や軟骨などを構成するコラーゲンが作られる際に、ビタミンCも必要になります。そのため、ビタミンCは健やかな肌を作るために欠かせない栄養素です。

    ちなみに水溶性のビタミンは体に蓄えられないため、小松菜などの野菜を活用して、毎日こまめに補っていきましょう。


    ●カルシウムが骨を丈夫にする
    小松菜100gあたりのカルシウム量は170mgです。牛乳おおよそコップ半分(100ml)に含まれるカルシウム量は110mgですので、小松菜のカルシウム量は多いといえます。

    参考までに1日あたりのカルシウムの推奨量は、30-60代の男性は750mg、女性は650mgと定められています。

    カルシウムは、骨や歯の構成成分です、カルシウムは日本人に不足しがちな栄養素ですので、さまざまな食べ物から意識して補うことが大切です。


    ●鉄で貧血予防
    小松菜は鉄も多く、100gあたり2.8mg含まれています。

    鉄といえばひじきを思い浮かべますが、鉄窯で茹でたひじき100gあたりの鉄は2.7mgですので、小松菜に含まれる鉄の量が多いとおわかりいただけるのではないでしょうか。

    実は小松菜に含まれる鉄は非ヘム鉄と呼ばれ、あまり吸収が良くないものです。そのため、小松菜を食べるときには、鉄の吸収を良くする動物性のたんぱく質やビタミンCと一緒に摂るようにしましょう。

    なお30-60代の男性は1日あたり7.5mg、女性は6.5mg(65歳以上は6.0mg /月経ありの場合は10.5mg~11.0mg)が鉄の推奨量です。不足しないよう、取り入れていきたいですね。


    ●食物繊維が腸内環境を整える
    小松菜には食物繊維も含まれ、100gあたりに含まれる量は1.9gです。

    参考までにレタス100gあたりの食物繊維量は1.1gですので、野菜の中では小松菜に含まれる食物繊維は多いといえます。

    ちなみに食物繊維は、便通を促し整腸作用が期待される栄養素です。18~64歳の場合、男性は1日21g以上、女性は1日18g以上が食物繊維の目標量として定められていますので、毎食欠かさずに摂るようにしたい栄養素です。

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