
「最近トイレが近い」「くしゃみをしたら漏れた」…そんな経験はありませんか?じつは多くの人が悩む尿トラブル。原因を知れば、改善のヒントが見えてきます。
今回は頻尿や尿漏れについて、泌尿器科専門医でなかざわ腎泌尿器科クリニック院長の中澤佑介氏に詳しいお話を聞きました。
Q. 頻尿・尿漏れとはどのようなものですか
頻尿は、排尿が多くなる時間帯によって「昼間頻尿」と「夜間頻尿」に分けられます。それぞれの定義は以下です。
・昼間頻尿:昼間の排尿回数が8回以上ある状態
・夜間頻尿:夜間に尿のために1回以上起きなければならない状態
尿漏れは、医学的には尿失禁と言い、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態を指します。
Q. 頻尿や尿漏れの原因にはどのようなものがありますか
頻尿や尿漏れの原因や起こり方には、いくつかのタイプがあります。主な種類と特徴は次の通りです。
・過活動膀胱(OAB:かかつどうぼうこう):
頻尿を引き起こす病気として「過活動膀胱(OAB)」があります。尿意切迫感(急な我慢できないほどの尿意)が特徴で、昼間頻尿や夜間頻尿を伴います。尿漏れを伴う場合もあります。OABは尿路感染などが原因ではなく、膀胱をコントロールする神経や筋肉の働きが過敏になることで起こります。
・腹圧性尿失禁:
咳やくしゃみをする・笑う・運動するなどの動作で、腹圧(お腹に力)がかかった場合に漏れるタイプで、出産後~中高年以降の女性に多くみられます。骨盤底筋という、膀胱や子宮を支える筋肉の低下が原因です。
・切迫性尿失禁:
突然の強い尿意を感じて、トイレに間に合わずに漏れてしまうタイプです。OABの一部としてみられ、加齢・神経疾患・糖尿病などが原因になることがあります。
・混合性尿失禁:
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の特徴を持ち合わせるタイプです。
・持続性尿失禁:
常に尿が漏れ続ける失禁です。膀胱や尿管の構造的な問題が原因で起こります。具体例として、膀胱瘻(ぼうこうろう:膀胱に異常な穴や通り道ができて、尿が本来と違う場所に漏れ出してしまう状態)や、尿管異所開口(にょうかんいしょかいこう:尿の出口が本来の膀胱ではなく、別の場所についてしまっている状態)などが挙げられます。
・男性の前立腺肥大に伴う尿トラブル:
前立腺の肥大で膀胱が圧迫されることで起こる頻尿・夜間頻尿・切迫感などの畜尿症状(膀胱に尿を溜めておく機能に関するトラブル)です。中高年男性に多く見られます。
・糖尿病に関連するもの:
糖尿病では、高血糖による浸透圧利尿(多尿)や、神経障害・膀胱の筋肉の異常が起こりやすくなります。その結果OABや排尿障害を伴い、尿漏れにつながるケースがあります。
・感染によるもの:
尿路感染(膀胱炎など)でも尿漏れや頻尿が一時的に起こることがあります。この場合、抗菌薬治療で改善します。
・薬や生活習慣によるもの:
利尿薬の使用、カフェインやアルコールの過剰摂取、便秘などが原因でも起こり得ます。これらは薬の調整や生活習慣の見直しで改善が期待できます。
・その他の原因:
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ:骨盤内の臓器が下がる病気)や手術・放射線治療の影響など、体の構造や神経の変化が関係する場合もあります。