サンキュ!

自分の住む街を「もっと楽しくしたい」と行動を起こしている大家さんを取材!

  • 自分の住む街を「もっと楽しくしたい」と行動を起こしている大家さんがいます。行きたい場所をつくったり、借りてくれる人と会ったり……顔の見える関係を増やし、街の活性化に取り組む足立和則さんにお話をうかがいました。


    <プロフィール>
    東長崎ぐらし代表 足立知則さん
    1980年生まれ。大学で建築を学び、不動産会社に就職。オフィスやホテルの開発事業に20年携わる。2020年に自身が取締役となり「東長崎ぐらし」を設立し、街の活性化に取り組んでいる。二児の父、家族4人暮らし。
    https://www.instagram.com/adatomo249


    寝に帰るだけだった街の「住み心地」を考えるようになって



    「シャッター商店街」と呼ばれる場所が、各地で増えていると聞きます。建物の老朽化や人口の減少などにより、街に活気がなくなっていくのは避けられないことかもしれません。そんな中でも、自分の住む街を「もっと楽しくしたい」と行動を起こしている大家さんがいます。
    その人は、東京・豊島区の東長崎に住む足立知則さん。地主として賃貸経営をする家の二男として育ち、大学卒業後は不動産開発の企業に就職。しばらくは仕事が忙しく、東長崎は「寝に帰るだけの街」でした。地元に気持ちが向くようになったのは、結婚し、子どもが生まれてからのこと。
    「地元でのつきあいを、それまであまりしてこなかったので、近所で話ができる人がいなかったんです。行きたい店も少なくて。それに気づいたとき、一生ここに住むのだからもっとおもしろい街にしたいと、自分ごととしての住み心地を考えるようになりました」。
    大家としての仕事を少しずつ広げていった足立さん。駅前で貸していた店舗が退居になったとき、「東長崎にカフェがほしい」と、業種を絞って入居者を探します。募集をかけてようやく出会ったのは、世界各国のコーヒー屋さんを巡っているという、モデルでコーヒー愛好家のヴォーン・アリソンさんと、建築家の理恵さん夫妻。ふたりがコーヒーショップ「MIA MIA(マイアマイア)」をオープンすると、お年寄りから若者、家族連れまで、街の人たちが集まって話をするような場が生まれました。思い描いた通りの風景を、足立さんはうれしく感じたそうです。

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