「妻のことが心配なんです、もっと人として成長してほしい…」モラハラ夫が妻に向ける「歪んだ本音」
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夫婦間トラブルのなかでもとくに深刻で、DVやネグレクトなどさまざまな問題にもつながることが多いモラハラ。
最近では、被害者の声をさまざまなメディアを通じて目にすることが少なくありませんが、意外と見聞きすることがないのが、モラハラをしている側の声。
モラハラをしている側はどんな風にパートナーのことを思い、自分のことを認識しているのか?
今回は、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんの元に寄せられた相談の中から「妻のことが心配なんです」と相談してきた、ある夫の声を紹介してもらいます。「妻の将来を本気で心配しています」と語る夫の歪んだ愛情
自己紹介で「普通の公務員です」と名乗ったセイイチさん(仮名/35歳)は、短めに整えられた髪と黒フチのメガネが、いかにも真面目そうな印象でした。2歳の男の子のパパで、「子育てもしっかりやってます」と言います。
相談では、セイイチさんが自分の妻にどんな思いを持っているのか、という点から聞いてみました。
――セイイチさんは奥さんに対してどのような感情を持っていますか?
「大切に思っています。世界一妻のことを愛していると思います。だからこそ妻のことをとても心配しています。もっと人として成長して、幸せになってもらいたいんですよ。
たとえば言葉づかい。妻は『マジで』とか、下品な言葉をときどき使います。女性として品がないですよね。あとは、身だしなみも心配になることがあります。胸元の空いた服を着ることがあるので、そんなときは『ほかの男を誘うつもりなのか?』と注意します。僕はふしだらな女がもっとも嫌いですから」
――言葉づかいや服装以外で、奥さんの気になる点はありますか?
「妻にはだらしないところがあって、部屋の中が片づいていなかったり、洗濯ものがきちんと畳まれていなかったり、人として基本的なことができていないところがあります。そこは僕的には直してほしいと思っているので、指摘をして、都度やり直してもらいます。
ときには僕の指摘に従わずに言いわけをすることがあります。『子どもの世話に手がかかった』とか『生理前で体調が悪いとか』。そういう嘘つきな態度がいちばんよくないと思いませんか?」
――なぜ嘘と断定できるのでしょうか?
「理論的な説明ではないからです。因果関係があることを理論的に説明して証明できるなら、納得します。僕だって鬼じゃないですからね。無理難題を押しつけているわけではありません。でも妻の論点に矛盾があれば、そこは正します。大体は口から出まかせの言いわけなので、きちんと説明できませんね。たいてい最後は『もう、わかってもらえないからいい』とか言いながら、一人でブチ切れて、泣いてごまかしたりしています。
注意されるということは、自分の至らない点に気づき、学ぶチャンスをもらったわけですから、指摘に感謝する素直な態度でないといけません。この点を妻には早く学んでほしいと思います。このままでは妻の将来が案じられると、僕は本気で心配しています」
――妻の人格を否定しているとは考えませんか?
「人格否定なんてとんでもない。妻を愛しているから、大切にしているからこそ、今のままではダメだと思い、心配するんです。僕が妻を導いてあげる必要があるんです」