捨てられる野菜、無駄になる努力をなんとかしたい!「続けられる農業」を応援したくて会社をはじめました
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農園が生み出す豊かな環境や、出荷できない不揃い野菜も、全部まるごと「宝」。食や農を通して自然とのつながりを考えてもらいたい、続けられる農業を応援したいと事業を立ち上げた西村千恵さんにお話を伺いました。
捨てられる野菜、無駄になる努力…そんな理不尽をなんとかしたい
「2週間でこんなにのびちゃって!」と、腰の高さまである雑草をかきわけて、畑の中をぐんぐん歩く西村さん。奥まで入ると草ぼうぼうの合い間から、小さなぶどうの樹が蔓を伸ばしています。「無農薬でも、あらゆる土地でも丈夫に育つ、奇跡のぶどうなんですよ」。農薬を使わずに栽培する農家の苦労を見てきたから、この品種にも、また新しい希望を感じているそう。
西村さんの転機は30代のときに訪れました。当時、東京のオーガニックカフェの運営に立ち上げから携わり、仕事中心の多忙な日々を送っていました。深夜のタクシー帰りも多く、家族と過ごす時間は削られていく。2人目を妊娠したとき「もっと家族と向き合う暮らしがしたい」と、神奈川県の三浦半島に移り住んだのです。そこで無農薬栽培を実践する農園を手伝うようになり、さまざまな課題を知ることになりました。
「手間暇をかけてようやく育った野菜なのに、色や形が不揃いだと出荷できずに廃棄になってしまう。自然に育った野菜なら、違いがあって当たり前なのに」。無農薬や有機栽培に取り組んでいる生産者さんの苦労を目の当たりにして、西村さんはその状況をどうにかしたいと考えたそう。